墓場が似合う女神へ手を伸ばす
「私の生活の仕方が悪いのでしょうが、どこで覚え学んできたのか家事全般をこなす力を身につけて、今や屋敷のお母さん。ただでさえ、守り手もほしいと剣を手にしたのに、キッチンに行けば包丁持ってと――何でもありですね、彼は」
「……」
一人で何役もこなしたのは、全て必要だと思ったからだとクロスは汲み取った。
分かってしまう。
だって、姫の隣にいるということは、あいつとも一緒にいるということなのだから。
一人で何役もこなす。こなしたかったんだ、姫の――
「そばにいたかったんでしょうね」
きっと。
今の俺のように。
「姫、俺は……」
立ち上がった彼女と真っ直ぐに向き合い、先ほど言えなかった言葉を口にする。