墓場が似合う女神へ手を伸ばす


それで全てが埋まると、彼女の記憶のピースにハマる――彼女にとって必要不可欠な一つになれると思ったのに。


「あなたは……」


「クロス?」


声が、出ない。
訳も分からない感情のせいだ。自分は学がない、剣を振るうことしか知らないバカだから、バカなりに考えて言いたいことがあれば言う性格なのに――どうして、出ないんだ。


気持ちの収集がつかない、感情の収拾とて同じこと。何を言い、どんな顔をして、何が彼女のためになるのかが分からない。


分からなきゃ、いけないのに――


「……、クロス」


それが分からない姫ではなかった。


彼は今、苦しいんだと、察してみせ。


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