墓場が似合う女神へ手を伸ばす



「すみません、ね」



ああ、彼はまた私のために苦しんでいるのかと、彼女の指がその頬に触れた。


細い指先だけでも伝わる温かさ。どれほどの優しさが含まれているかも分かり、何よりも彼女が“困ったように笑っていた”のがクロスの胸を突いた。


謝罪の言葉。
けれどもクロスは姫(私)にそんなことを願ってなんかいない。姫(あなた)は何も悪くないのだからと、“私が悪いのに、そう言ってくれるのだ”。


――あなたに、こんな顔をさせてしまうのは、私だけなのにね。


「泣きそう、ですよ」


子供をあやすような指先。どうか泣かないでと、こちらは優しく微笑むが――手を握られた。


ぎゅっと乱暴ながらも、決して離さないとした意図がある決心を伴う男性の手。


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