君の知らない空


高架下を抜けると交差点があり、片側二車線の道路が交わっている。それ沿って小さな店舗や雑居ビル、マンションが立ち並んでいる。


この道路の向こう側が北にあたるため、緩やかな坂道になっている。線路の北側は住宅地が多く、私の自宅も交差点を渡ってまっすぐ進んだ先にある。


交差点の角には朝晩よく利用しているコンビニ。つい灯りに引き込まれそうになるが、彼は交差点を渡らず線路沿いの歩道を進んでいく。


街灯と車のヘッドライトに照らされているものの、反対側の歩道と比べると暗く歩行者も疎らだ。線路に沿った高架下は、駐車場や倉庫になっていて人気もない。


何であっちに渡らないんだろ、
ここに車を停めているの?


と疑問に思ってたら、彼がくるっと高架下へと曲がる。駐車場が途切れて、線路の南側へと抜ける道を進んでいく。


また南側に行くなら、最初から北側に出てくることなかったのに。
彼の分からない行動に、私は首を傾げた。


線路の南側には商店街があり、北側よりも飲食店など店舗が多い。霞駅ほどではないけれど。


時計を見たら、9時30分。商店街の店舗はほとんど閉まっているはずなのに、何しに行くんだろう。


商店街を歩きながら路地裏を見ると、暗い闇の中に辛うじて人がいるのを確認出来る。何をしているのか分からないから不気味で、直視出来ない。中にはカップルなんかも居たりするし。


ふと前を見ると、彼の姿がない。
路地裏に気を取られていたせいだ。



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