君の知らない空
今にも微睡みそうな昼下がり。
私はモニターを見つめる目を白黒させて、睡魔と戦っている、目覚ましにガムを噛んでみても、もはやどうしようもない。
今にもあちらの世界に足を踏み入れそうになる私を呼び戻したのは、優美の声だった。
「はい、今日の配給」
机に置かれたのは、紙で折った四角い箱。手のひらに収まるほどの大きさに、溢れそうなほどお菓子が盛られている。
一瞬で目が覚めた。
「優美、ありがとう。美味しそう、新製品?」
眠気と戦っていたことを覚られぬように、お菓子を注視してみせる。
「そう、夏限定だよ。目覚ましに食べてね」
得意げに笑う優美。
完全に見透かされている。
「いつもありがとうね」
私は照れ隠しに、お菓子を口に放り込んだ。