君の知らない空


「彼女……白木さん、オバチャンの受けが悪そうだね、大丈夫かなぁ?」


優美が声を潜める。


この調達課には、私の他に女性が三人いる。


そのうち二人は四十代の既婚の子持ち主婦、私たちが影でオバチャンと呼んでいるのが彼女らだ。背の高い野口さんが私と同じ素材チーム、低くて眼鏡を掛けている山本さんが計器チームに所属している。


もう一人は38歳の子持ち主婦の加藤さん、半年前に育児休暇から復帰したばかりだ。部品チームの加藤さんは無口で、仕事以外の話題で話すことはほとんどない。


「ん……でも、オバチャンと上手くやっていかないと……ねぇ?」


私が言うと、優美が顔を引きつらせた。





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