金色の師弟
その時、少し離れた扉がゆっくりと開かれた。
呆れた様子で顔を覗かせたアデルの姿に、ルイはうっかり呼吸を忘れる。
「遅い。お前、忘れていたんじゃないのか?」
ぎくりと背筋を震わせながらも、ルイはアデルから目を逸らせなかった。
扉を開く時と同じにゆっくりと部屋から出てきたアデルに、ルイは益々目を奪われてしまった。
少々欝陶しい程に伸びている前髪を掻き上げてサイドの余分な髪の毛と共に後ろでしっかりと結んでいる。
アデル自慢の艶やかな黒髪は襟足を覆い、首元にかかる。
そして、前髪を後ろに纏めたことで造形品のように整った顔立ちが強調されている。
金色の瞳が、彼の生を叫ぶかのように、光っていた。
さらには、アデルは汚れ無き純白の正装に身を包んでいた。
細身な身体を包む白は堅苦しい印象以上に、自由を連想させるしなやかさを纏っていた。
見つめ続けたら、魂を奪われる。
例えそう言われても、目を離すことは出来ないとルイは思う。