金色の師弟

漆黒のボレロと、薄いグレーのロングドレス。
ボレロは手首までを覆い、袖が花のように萎められている。
ドレスの胸元にはフリルがあしらわれ、ボレロの開かれた胸元からそっと顔を覗かせていた。
裾にはレースがあしらわれ、シンプルながらに可愛らしさを忘れてはいない。
そして、全体的に露出が少なく落ち着きのあるドレスであったが、右側には大きくスリットが入っており、その一ヶ所がドレスをどこか艶やかなものとしていた。
ボレロの胸元には、大輪の真っ白な薔薇。
黒と灰色の世界に咲いた一輪の花は、希望のようでもあった。

ルイはまばたきを忘れ、ドレスに魅入った。

(素敵……)

ルイも騎士ではあるが女の身。
素敵と思えるドレスに身を包み、好きな人と踊れたら幸せである。

ぼんやりと固まるルイの頭を、アデルが後ろから軽く叩いた。
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