金色の師弟

アデルは、ルイが自分を貴族よりも劣っていると評価していることを知っている。
だから、その不安を拭いつつもルイの魅力を生かせるようなドレスを探していたのだ。

「ルイ、知っていたかしら?」

「何をですか?」

ノルンはふふ、と少し意地の悪い笑みを浮かべる。

「アデルはね、時々町へ下見に行っていたのよ」

「え……」

「パーティーがなくても、アデルは貴方のためにこのドレスをプレゼントするつもりだったみたい」

アデルが自分のために時間を費やして選んでくれたドレス。
ルイは、胸が締め付けられる想いだった。
自分はアデルとしっかり向き合うことを避けていたというのに、アデルはいつもルイを気に掛けてくれた。
訓練を付けてくれている時も、そうでない時も、ルイを想ってくれていた。

「ノルンさん……」

「なぁに?」

惜し気もなく与えられるアデルの愛情が、ルイの心から溢れだす。

「私は、アデルさんを好きになっても、いいんでしょうか」

ルイの瞳から、涙が溢れた。
好きなのに、傍にいられない。
その現実が、ルイの本心を誤魔化し続けた。
< 383 / 687 >

この作品をシェア

pagetop