金色の師弟

本当は、アデルを想うだけで胸が詰まる程、彼に恋い焦がれているというのに。
未来の見えない恋が怖くて、その気持ちが認められなかった。

ノルンはそっと微笑むと、露わになったルイの肩にそっと触れる。
温かな手に、ルイの強がりが溶かされていく。

「私、怖いです」

「怖い?」

「アデルさんと一緒になれない未来しか、思い浮べられないっ……」

ぽろぽろと涙の粒がルイの頬を零れて落ちた。
孤児院の年長者として、年下の子供たちに頼られ忙しくも楽しい日々を送っていたルイ。
家事に追われる毎日の終わりには、決まって院長先生が院内に保管されている少ない物語の読み聞かせの子守歌が待っていたのだ。
院長先生が語った物語はどれも優しく温かい。
その中でも、恋物語は特に甘く幸せな話だった。
< 384 / 687 >

この作品をシェア

pagetop