金色の師弟

現実の恋は、辛く苦しい。
好きになればなる程、失うことが怖くなる。
わからない未来ですら、敵に回ってしまっているようで、不安ばかりが胸を占める。

「私だって、未来がないわ」

ぽつりとノルンが呟いた。
寂しげな声に、ルイは涙を落としながら顔を上げる。
一目で作り笑いとわかる、苦しさを押し殺した笑顔がそこにあった。

「アデルから聞いたかしら?私が好きな人はね、平民の花屋の息子」

笑おうとして、失敗した。
くしゃりとノルンの顔が歪む。

「私は未来なんていらない。あの人が欲しいの」

ノルンはゆっくりと首を振ると、ルイの肩に置いていた手で、頭を包むようにし目を合わせた。
泣きそうな顔で強気な笑みを浮かべたノルンの笑顔は、どこかアデルに似ていた。

「ねぇ、ルイはアデルが欲しくないの?」
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