金色の師弟

ルイの震える唇から、ゆっくりと言葉が零れた。

「欲しい……」

溢れる涙は止まらない。
涙に濡れた空色の瞳が、震えながらノルンを捉えた。
ルイは片手で口元を押さえる。
だが、涙も言葉も止めることは出来ない。

「アデルさんが欲しい……。私、私は……」

息を詰まらせ、ルイは大きく咳き込んだ。
言葉にしてはならない想い。
イアンから受けた恩に報いるために、ルイはここにいるというのに。

「私……アデルさんが、好き……。好き、です……」

今のルイを支配する感情は、強く深いアデルへの恋情。
言葉にしなければ、抑えつけられると馬鹿みたいに信じていた。
言葉にしなくとも、気持ちが膨らむことには、気付かないふりをして。

嗚咽を漏らし泣きだしたルイをそっと抱き締め、ノルンは涙を堪え微笑を浮かべた。

「その言葉、アデルに言ってあげてね……」

頭を撫でる優しい手に、ルイは声を押し殺し涙を流し続けた。
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