金色の師弟

ノルンは思わず息を吐く。
年相応か若く見えるルイには、黒のボレロにグレーのドレスは少々大人び過ぎているのではないかと思っていた。
実際に、先程までノルンはそう感じていたのだ。

しかし、ルイの髪を下ろしてみるとどうだろうか。
結い上げられていた髪は毛先が自然と波打ち、大人びた印象を与えている。
さらに、落ち着いたドレスに対して鮮やかに輝く金色は映える。
ルイの魅力を最大限に引き出すドレスは、これ以外にあるまい。

(なんだか、逆に腹立たしいくらいだわ)

完璧すぎるアデルの見立て。
ドレスを着て現れたルイを見て満足気に微笑む顔を想像し、ノルンは眉をしかめた。
彼の勝ち誇った笑みが容易に想像出来る。

(しかも、白薔薇の花言葉って確か……)

貴方は私に相応しい。

ノルンの記憶が正しければ、これが白薔薇の花言葉。
急に黙ったノルンに不安を感じたルイが首を傾げている。

ルイが、アデルに相応しいのか。
それともアデルがルイに相応しいのか。

どちらにしても大層な自信を持った友人が好ましく、ノルンはルイに苦笑してみせた。
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