金色の師弟
切なげに眉をひそめ、一心にアデルを見つめるルイの頭に、大きな手がぽんと乗せられる。
その手の主人、ディンは柔らかなワルツのメロディをかき消すような大声を上げた。
「アデル!お前のお姫様の登場だぞ!」
「!」
思いの外響いたディンの声に、アデルと周りの女性はもちろん、その他の出席者もディンとルイに視線を向ける。
その視線は、主にルイへと突き刺さり、ルイは俯いた。
「まぁ、どなたかしら?」
「あの赤髪はメルディ国のディン様だわ」
「では、隣のお嬢さんは?」
アデルを囲む女性が口々に唱え、彼を振り仰いだ。
アデルはルイを見つめ頬を緩めると、片手を上げて話を遮った。
「待ち人がやってきたようです。それでは、私はこれで」
恭しく頭を下げると、珍しく足早にアデルはディンの元へと向かった。