金色の師弟

ルイの目の前で、アデルはそっと足を止める。
髪を下ろしドレスを身に纏った姿を前に、アデルは目を瞠る。
見慣れないものを見て驚いたからではない。
予想以上、だった。

だから、先程もつい目を逸らしてしまった。
ルイが自分を見ていると気付いたとき、不覚にも頬が熱くなった。
そう言ったらルイは信じるだろうか?
アデルは表情を緩め、僅かに屈みながらルイの前に手を差し伸べた。

その手の意味を量れないほど、ルイも無知ではない。

「む、無理です!私……」

アデルからのダンスの誘いを、これ以上にない失礼さで断るルイ。
しかしアデルは、ルイの反応などわかっていたようで、呆れた笑みを浮かべた。

「お前が踊れないのは百も承知だ」

「そうです。私なんか相手にしていたら、周りに笑われますよ……」

アデルと共に踊れば、下手なダンスでアデルを悪い意味で注目させてしまう。
ルイ自身も、それは恥ずかしい。
< 395 / 687 >

この作品をシェア

pagetop