環七あやめの遊戯

厳密に言えば、朧気ながらであれば、可南子のシルエットが脳裏によみがえって来るのだが、それも不完全なまますぐに消えてしまう。



－何でぇ!!?うっ、ウェ～ッ！－



…やがて空は朱色に染まり、そろそろ家路についてもいい頃ではあったが、あやめは、この素晴らしい遊戯に欠点があった事に激しいショックを受けていて、公園のブランコから立ち上がる事が出来ずにいた。



完全に日が落ちた頃、ようやく落ち着きを取り戻したあやめは、ふらふらしながら家路についた。

あやめは、今の自分が、非常に不幸な人間の様に思われた。


…ところで、この話の顛末（てんまつ）を見たからと言って、最終的にとった、彼のこの事態の解決策。非難はしても、彼の事をかばう人は決していないだろう。許される物では無いだろう。

だが、彼にとっても、なぜあんな行動をとったのか、今では理解し難い物だと、あの時の俺は狂っていたと後日、非常に後悔、反省していたのだ。

そしてまた、彼はその時より、その遊戯にそれ以降、死ぬまで手を出さない決意をしたと言う。