元恋人の甘い痛み【完】



「雷牙、悪いけど先に送ってくれる?」

「ああ、分かった」


車は山を降り、街へと戻ると暫くしてマンションの下へ到着した。


「有難う」

「……いや」

「こんな馬鹿みたいな事までしたんだから、雷牙の心を掴めると良いわね」


車から降りる間際、助手席に座る女へ目掛けて言葉を投げ掛けてから車から降りた。


「優里!」

「ん?何?」


雷牙は車から降りると私の元へと歩み、頬に手を触れさせ宛がう。


「顔色が悪いな。何処か痛むんじゃないのか?何か隠してないか?」

「…大丈夫よ。隠し事もしてないわ。有難う、雷牙」


私は雷牙へと微笑んでから、その場を後にした。

< 259 / 709 >

この作品をシェア

pagetop