元恋人の甘い痛み【完】
ーーー時刻は午後六時。
もうすぐ財前が迎えに来る。
自分でも重い足取りを自覚しながら秘書室を後にし一階のロビーへと向かう。
一度関係を持ったら、流石に次は暫くの間は言い寄って来ないと思うし、今日を乗り越えたら当分の間は財前から解放される。
くよくよ考えずに気軽に会えば良い。
一階へと降りロビーを出るとタイミングよく財前が車から降りてきた。
「外は寒い。中で待っててくれれば良かったのに」
「あなたと一緒に居るところを見られたくないわ」
「雷牙にか?」
「皆によ」
エスコートされるがまま車に乗った。