元恋人の甘い痛み【完】

もともと雷牙は違う世界の人だったんだから、今更どうってことないわよね。


前の私達に戻るだけ。


雷牙はあんなに私の事を見てくれようとしたのに、私は雷牙の行為を裏切ってしまった。


最低だ私。


胸が凄く痛い。


こんなふうに痛みを感じるのは、七年前の修羅場以来ね。


あの時の様に心が凄く痛い。


「……っ……っ…」


電車を降りて部屋へ向かう中、大粒の涙が溢れた。


雷牙を傷付けてしまった。


雷牙が離れて行ってしまった。


もう戻れない?


どんなに弁解しても聞いてくれない。


あの冷たい目で見られるのが怖い。


もう…駄目なんだ…。

< 566 / 709 >

この作品をシェア

pagetop