元恋人の甘い痛み【完】

「…あの」

「何だ?」

「荷物…今日取りに行って大丈夫かなって…」

「…あ、ああ」

「有難う」


雷牙は部屋から出て行った。


居候もこんな形で終わるなんて思わなかった。


あの頃の楽しかった時間はもう来ない。


雷牙も私も昔に戻る。


愛情なんて封印していた頃に戻るのね。


悲しいけれど、仕方のない事。


雷牙と私は初めから合わなかった。


ただそれだけの事。
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