元恋人の甘い痛み【完】

「…昨日は悪かった」

「…雷牙は悪くなんかないわ。私が悪いのよ。だから、謝らないで」

「お前に冷たい態度を取った事、反省してる。すまなかった」

「いいのよ、仕方ないもの」


まさか、こんな風に雷牙が謝るなんて思わなかったから驚いた。


互いに謝罪はしても、それ以上の深い話はせずただただ車に乗っていた。


暫くしてマンションへと到着し車から降りてフロアへ入る途中、一人の女性が小走りでこちらへと駆け寄って来る。


「…雷牙!」


その女性は雷牙の胸へと勢い良く抱き付いた。
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