元恋人の甘い痛み【完】
「お前、やっぱりその男の事…」
「そ、そうよ。私が忘れられないのはこの人。ずっと好きだったけど…心は奪えなかった人」
「修羅場は御免だ。後は二人でやれ」
「待って、雷牙!」
雷牙は気分を害したのかマンションへと入って行った。
こんな事って…あるのね…。
私は二人を背に無意識の中駅へと向かって歩く。
こんな鉢合わせをするなんて思ってもみなかった。頭の中が凄く混乱していて、何が何だか分からない。