As Time Goes By ~僕等のかえりみち~
あれ……?



ワタシ、何しに来たんだっけ。


『あなたが好きなのは双子の妹の結の方なのに、告白されたの、私でした。』


『実は結もあなたが気になって…』



あれ…?


何か、違くない?
話が変な方向に…?

「…全く…、相変わらずだなあ、あいつ。すっかりしてやられた。」



「………?」



「…俺、野球部でさ。いつも走ってる柚ちゃんを見てきたよ。すげー何度も走りこんでてさ……。その一生懸命さに惚れたんだよなあ…。」



「……あのー…、里中くんは結が好きなんじゃ?」



「や。だって双子だって知らないし。見かけるのは2組の連中と一緒にいる時だから…、間違いなく柚ちゃんだと思う。中道のせいでややこしいことになったみたいね。ちなみに陸部の人に『結』ちゃんの話したら彼氏と別れたばっかだって言うし……。」


そりゃあ『結』の名前出せばそうなるわ…。



「…じゃあさー…、里中くんが好きなのは……。」



「……君。柚ちゃんに間違いない。」



「………!あは、嘘でしょう?」



「…?何で?」



「…だって男の人にまともに告白されたことないし、結ならともかく里中くんのような有名人に好かれる覚えなんて……」



「…有名人て。大袈裟な。」



「…だって実際モテるよね。みんな憧れてるし……。」



「…それって中道のと間違ってない?」



「………中道~?!や、あいつは論外っ。」



「へ~…。珍しい子もいたもんだ。」



里中くんはくすくすと笑った。



なんて優しい微笑み……。



あいつ(中道)とは大違いだわ。



「…想像通りの性格っ。。…ますます好きになる気がする。」



「……え。」



「……改めて、柚ちゃん。俺と付き合わない?」



「…………。」



「あれ。固まってるし。」


だってこんな急展開……


アリ?!





上原柚。



15歳にして初めてちゃんと告白される。



しかも相手は……




「返事は?」



…二枚目のモテ男。




「…あの……。」



「…ん?」



「…恐らくあなたには結がピッタリだと…。」



ギャ~、何言ってるの、私の口っ。



「……?俺は柚ちゃんがいいのに?」



「…多分会えばわかります!顔同じだし!」



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