【完】プリンセス
すげービビってる心菜は、おばけが出てくる度に柏原にベッタリ。
はぁ?
何あれ。
普通、彼氏でもない男だったら、我慢したりしねーの?
その後は、一応離れてるけどさ?
でも、何かムカツクし。
さっき相談してたおばけが、うまい具合に驚かした後、沙耶が柏原にくっついた。
俺にピースして去って行った沙耶を見て『上手い』と素直に思ってしまった。
俺を柏原だと思ってくっつく心菜。
「あ……壱また……ごめんね?!」
「そうやって柏原に、くっついてたんですか?」
一瞬開いた間。
ゆっくり顔をあげ、目をでかくさせた。
「え? ……陽呂?!」
暗くてよく見えねーのか、顔が近い。