私の恋人は布団です。
修一は,延の近所に住んでいる。
親同士が仲がいいので,交流もある。
規則正しいストレートヘアーに,眼鏡。
それでいて,ガリ勉タイプと言った風でもなく,綺麗な面立ちをしていた。
修一は,昔から優秀で,優しく,人望があった。
そんな修一を,延は憧れていたし,尊敬もしていた。
そんな人が,自分を“ちゃん”付けで呼んでくれたり,学校で話しかけたりしてくれることが,延の密かな喜びでもあった。
いつもの延なら,自分の出来る最大限の笑顔で微笑もうとしただろう。
しかし,その斜め後ろには,今,恐らく一番会いたくない人物が居た。
「延さん!良かった……会いたかったんですよ」
その人物は嫌味なくらい長い足を動かし,素早く延の方に向ってくる。
「なっ,何で……ッ!?」
「お友達?」
慌てふためく延に,加南子は悠長に聞いた。
「ち,違う!違うって!」
延は恥ずかしくて穴があったら入りたいといった心境だった。
「じゃあ,ボーイフレンドかな?」
修一は含みのある笑顔で言った。
「それも違います!!」
「そんな,ヒドイです……“私にはアナタだけ”って言ってくれたのに……」
(何てコトを口走ってるんだこの男は……!!)
親同士が仲がいいので,交流もある。
規則正しいストレートヘアーに,眼鏡。
それでいて,ガリ勉タイプと言った風でもなく,綺麗な面立ちをしていた。
修一は,昔から優秀で,優しく,人望があった。
そんな修一を,延は憧れていたし,尊敬もしていた。
そんな人が,自分を“ちゃん”付けで呼んでくれたり,学校で話しかけたりしてくれることが,延の密かな喜びでもあった。
いつもの延なら,自分の出来る最大限の笑顔で微笑もうとしただろう。
しかし,その斜め後ろには,今,恐らく一番会いたくない人物が居た。
「延さん!良かった……会いたかったんですよ」
その人物は嫌味なくらい長い足を動かし,素早く延の方に向ってくる。
「なっ,何で……ッ!?」
「お友達?」
慌てふためく延に,加南子は悠長に聞いた。
「ち,違う!違うって!」
延は恥ずかしくて穴があったら入りたいといった心境だった。
「じゃあ,ボーイフレンドかな?」
修一は含みのある笑顔で言った。
「それも違います!!」
「そんな,ヒドイです……“私にはアナタだけ”って言ってくれたのに……」
(何てコトを口走ってるんだこの男は……!!)