カタチのないセカイの為に
気持ちを伝えるのは、難しい事だと、改めて思った。


「ねぇ。ドア開けて」
ドアの向こうから、美咲の声が聞こえた。


何となく気まずい…。
でも、優潤は何も悪い事はしてない。
堂々しなくては。


優潤が、恐る恐るドアを開ける。


美咲が立っている。

美咲は麦茶が入ったコップと、クッキーを載せたお盆を持って立っていた。

脇に、ノートとプリントを挟んでいる


「ありがと。」
ドアを開けたお礼が聴こえる。

彼女は、宿題を取りに行っていた。
ただ、それだけだった。



彼女は、優潤が言った言葉の意味を
ちゃんと理解していた。

優潤は、眼がうるうるしそうな感覚になった。


美咲は、持っていたお盆をテーブルの上に置いた。
「どうしたの?座れば?」

「あ。うん…。えっと。
喉が渇いてたの?」

「あー。。。
数学、教えてくれるって言ってくれたでしょ。
だから、飲み物でも持ってきてあげようかと思って…。」

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