天使の歌声
「はぁ~、笑った笑ったぁ~!!
 って、お前いつまで笑ってるんだよ!!」

『男のクセにここ弱いとか・・・。』

あたしは笑いながら、そう言った。

「性別関係なくね?」

『そうかぁ?あたし的に、コチョコチョは
 女が効いて、ツンツンが男だって、
 思ってたんだけど?』

「ふぅ~ん。つーか、ツンツンって・・・。」

『他になんて言うんだよ?』

「・・・ツンツン。」

亜雄李は少し考えてから、そう言った。

『だろ?』

「だな?」

亜雄李はそう言って、窓の方へ
視線を向けた。

それにつられてあたしも、窓の方を見る。

(もうこんな時間か・・・。)

「今何時だ?」

『・・・ガン時だよ?』

「今何時だ?」

『・・・親父だよ?』

「今何時だ?」

『・・・頑固だね?』

「誰のことだ?」

『・・・亜雄李だよ?』

『「なんか切がない。」』

あたしと亜雄李は同じことを思ったらしい。

「そうだ。このズボン、どうしたらいい?」

『ん~?貰っていいよ。』

「人のだろ?」

『別に。貰っていくよ?って
 言ってきたし・・・。』

「んじゃ、貰い♪」

亜雄李はそう言って
嬉しそうに笑った。

『お好きにどうぞ?』

あたしは微笑んでそう言った。

「あ。そろそろ、時間だ!
 俺、帰るな?・・・また、明日。」

『おうッ!また明日な?』

亜雄李はそう言って
風のように消えていった。
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