奇妙な関係 ~オスとワタシの奮闘記~
春ちゃんがいなくなって更に三日が過ぎた。


元の生活に戻るだけだと考えるようにした。


それでも寂しさはなくならなかった。


春美ちゃんも心なしか元気がないように見える。



「今日は何処にお出掛けなのぉ?」



リビングのソファーに座って、テレビを見ながらコーヒーを飲んでいたら、お母さんに横から顔を覗き込まれた。


いつもはこんな事聞いてこないのに、何で今日に限って聞いてくるわけ?



「映画観に行くだけだよ」

「ふぅーん、映画ねぇ……誰と?」



うっ……。


そこまで突っ込んでくるとは……。



「……友達」

「文美にもやっと春が訪れたのね!!」

「ぶっ……」

「お母さん嬉しい!!」



急激に上がったテンションにビックリして、思わずコーヒーを吹き出した。


ティッシュで口周りを拭いている間、お母さんにバシバシ背中を叩かれる。



「痛い! 落ち着いてよ!! 友達って言ってるでしょ!!」

「友達って、桃花ちゃんじゃないんでしょ?」

「そうだよ」

「文美に桃花ちゃん以外の女の子の友達がいるわけないしぃ、今日の相手は間違いなく男の子ねっ」



うっ……鋭い。


って、ちょっと待てぇい!!



「桃花とは一番仲良しだけど、他にも女友達いるから!!」



テンションが上がる一方のお母さんを振り切り、急いでリビングを出た。





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