奇妙な関係 ~オスとワタシの奮闘記~
「はぁぁぁー……」



玄関のドアを開け、外に出た途端大きなため息が零れた。


母聖子、侮り難し!!


気持ちを切り替え、待ち合わせのコンビニまで足を進める。


本当は食事だけの筈だったのに、何故か映画に行く事になってしまった。


会話しなくて済むからいいけど、それプラス食事って……ハードル高すぎる。


春ちゃんが背中を押してくれてたら、今度こそ上手く断れてたかな?


そんな事ばかり考えてる自分がいる。


認めたくないけど、私は春ちゃんに頼りまくってる。


それはきっと、春ちゃんは面倒臭そうな顔をしながらも、親身になってくれるから。


コンビニの駐車場に着くと、白い乗用車の運転席の窓が降りた。



「鈴川さん」



窓から覗く爽やかな笑顔。


芸能人でも目指してるの?って言いたくなるくらい透き通るような白い歯。


いい人とは言え、どれも気持ち悪いとしか言いようがなかった。



「日下部さん、お待たせしました」

「いいえ、全然待ってないよ」



運転席から降りた日下部さんは、わざわざ助手席側へ回り、ドアを開けてくれた。


慣れてる……。



「ありがとうございます」



軽く頭を下げながら、私は助手席へ乗り込んだ。





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