『主夫』だって『恋』してますけど何か?
(男と・・・・手を繋ぐなんて
いつぶりだろ。)
優は思い出していた。
優は昔から常に人目を引くくらい
とても綺麗だった。
化粧をしなくても、長い睫毛。
クリクリとした大きな瞳。
筋の通った高い鼻に
ふっくらとした唇。
タマゴ型の小さな顔。
細くて長い手足。
中学生位からどんどん
育っていった、大きな胸。
そんな優を、男達が
放っておくはずがなかった。
けれども優は、彼氏というものを
つくった事がない。
親しい男友達もいない。
別に恥ずかしいとかではなくて
心の底から男が嫌いだったのだ。
そのきっかけとなったのは父親。
優には父親がいない。
5歳の時にいなくなった。
優と母親の瑠美とで買い物から
帰ってきたら居間の机の上に
紙が置いてあった。
その時は何か解らなかったが
瑠美はそれに気付くと唖然として
「どうして・・・」と呟き、
泣き出したのを覚えている。
離婚届けだったと気付いたのは
色んな事が解ってきた小学校六年生の時。
クラスメイトの親が離婚したって
陰でみんなが噂していた。
でも、優には優しかった父親が
なぜ母と離婚したのか解らなかった。
優の父親と瑠美は別段仲が
悪い事などなく、どちらかと言えば
幸せな家庭だったから。
そんな優はお父さんと
手を繋ぐのが大好きだった。