『主夫』だって『恋』してますけど何か?


(・・・・温かいな。)

藤堂と握る手を眺めながら
無意識に思った優。



「何?男と手を繋ぐのも
初めてとか?」

繋ぐ手を眺める優に気付き
藤堂が笑いながら聞いた。


「・・・・・・違います!」

優は直ぐに否定する。



(繋いだ手が・・・・温かくたって
結局男はいなくなるのよ)

優は心の中で呟いた。



大好きだった父親。


そんな父親と優は
中学3年の時に再会していた。



友達と行ったショッピング。


人混みの中で見つけた懐かしい顔。


人よりも身長が高くて、
格好いい40位の男の人。



「お父さん!」


優は驚く友達を置いて
人混みを掻き分け走った。



「・・・・・・・・・・・」

けれど近くまで来た
優は固まった。



その人は間違いなく
優の父親だったのだが
隣には手を繋ぐ小さな女の子。

そして、父親に笑顔で
話し掛ける綺麗な女性。



(あぁ、お父さんは
私とお母さんを捨てたんだ。
・・・・・他の女の為に。)



優はその日から、男を
故意に避けだした。


同時に目につくのは
男の嫌な面ばかり。


それが優の男嫌いに繋がった。



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