『主夫』だって『恋』してますけど何か?


資料の作成に夢中になり
気付かなかったが、藤堂がいう通り
本当誰もいない静かなオフィス。



トクンッ・・トクンッ・・・

藤堂に後ろから抱きしめ
られたまま机に向かう
優の心臓は高鳴っていた。


(これは・・・・
緊張してるからでしょ?)

いつ何をされてもおかしくない
状況に優は思う。


「あっ優、これお前にだから飲めよ。」

真剣に資料を見ていた藤堂が
机の真ん中に置いた
缶コーヒーを指差す。

そしてまた資料を真剣に見つめる。


「・・・・・どうも。」

煩い心臓の音を抑えたくて
藤堂がくれた缶コーヒーを手に取る優。



カチッ・・・

(・・・・・・全然、落ち着かない)

缶コーヒーを飲んでみたが
藤堂の腕に挟まれた状態のままだ。



今飲んだコーヒーの香りと
藤堂がつけているグリーン系の
爽やかな香水の香りに包まれ
ながら優はなんだか動けずに
じっとしていた。



「これ・・・・よく出来てると思うよ。」

作成した追加の資料を
見終わった藤堂が言った。


(別に確認頼んでないし・・・・)

どの道、優の教育係りである
藤堂には見せておかないと
いけなかったかもしれないが
と複雑になる優。



「でも、順番変えた方かいいかもな。
このお客、安定思考だから
いきなりこれが初めにくると
デメリットを考えると思う。」


(・・・・・確かにそうかも。)

藤堂の的確なアドバイスに
納得する優。


「・・・・解りました。
明日その順番に変えて提案します。」


「ああ。素直でよろしい。」

藤堂は優を抱きしめてから頭を撫でた。


「・・・ちょっと・・・何して・・//////」

頭を撫でられた事になんだか
恥ずかしさを覚えた優。


「照れてんの?
へ〜・・・やっぱり可愛いな優。」

藤堂は笑いながら
優を抱きしめる力を強めた。



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