『主夫』だって『恋』してますけど何か?


客は優の太股を直に触りながら
手を徐々に上へ持っていく。


(・・・・・やっぱり殴ろうかしら。)

優は悩んでいた。


この客は会社にとってかなりの上客。



バチ・・・・

悩んでいると部長と目があった。


部長は優が今セクハラ
されている事に多分気付いている。


そのまま部長は笑うと
優から視線を反らした。



(・・・・・・最低な客に
最低な上司。)

優は早くこの時間が
過ぎる事を祈った。






「佐々木社長。」


そんな時、優と社長の間に
割って入る聞き慣れた声。



「何だね、藤堂君。」

邪魔された客は不機嫌に言った。


部長もそれに気付き焦りだす。



ヒソッ・・・・
「・・・・・・・・・・・・・・・、
どうでしょうか?」


藤堂は周りに聞こえないように
客に耳打ちしてから何かを確認した。


(・・・・何を言ったの?)

優は不思議に思う。



「・・・・いいだろう。
よし・・・私は
一足先に抜けさせて貰おう。」

客は嬉しそうに立ち上がった。


部長は慌てていたが
客の顔が上機嫌だったので
ひとまず落ち着く。



「佐々木社長、外に車を
待たせていますから。」

藤堂が客を見送る声が
離れた場所から聞こえた。



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