『主夫』だって『恋』してますけど何か?


「・・・・・・・優」

藤堂は、抵抗をなくした
優の瞳をみつめ唇にキスを落とす。


もう一度口内に舌を入れ
優の舌と絡めると、それに
応えるように、優は藤堂の
ジャケットを握りしめた。



チュッ・・・

優の身体を弄っていた手を
優の後頭部を抑え、応える優との
キスに夢中になる藤堂。



(・・・・・なんでこんなキスするの?)


いつも欲望のままに藤堂は優を
攻めるのに、今日はなんだか違う。


だいたい、優を弄るのを止めて
キスだけに夢中になる事自体が
今までの藤堂の行動からすると
ありえない事だった。





「・・・・明日、金曜日だし
食事でもいかないか?」

激しく熱いキスの後
藤堂からの言葉。


「・・ハァ・・ハァ・・・・・どうして・・・・」

キスの余韻に胸を締め付けられ
ながら優は涙目で藤堂を見上げる。


「どうしてって・・・・?
先輩が後輩を食事に誘ったら
ダメな訳?
まぁ行かないなんて言わせないけどな。」

藤堂は目尻を少し下げ、
優しく笑った。


「・・・・・・・じゃぁ聞かないで下さい。」


なぜか食事に誘われて嫌ではない
自分に気付いた優。



(何度も・・・・
最低な事をされてきたのに・・・)



この日、藤堂はこれ以上
優に何もせずに、駅まで
手を繋いで送っただけだった。



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