『主夫』だって『恋』してますけど何か?
「いらっしゃい。
うちの店来るの初めてだよね?」
バーのマスターが
優と茜に声を掛けた。
当時40代の恐モテな
感じのマスター。
見た目は恐そうだけど、
笑顔の目尻のシワが優しい
雰囲気を出していて緊張しない。
「初めてで〜す!」
茜がニコニコしながら
マスターと会話を始める。
「だよね。
こんな美人なお客様忘れないよ。」
メニューを渡しながら
マスターが言った。
「この娘でしょ?いいね〜美人は!」
茜が優を指す。
「いやいや、二人ともだよ。」
「やだマスターお上手♪」
茜の会話力に感心しながら
優はメニューに目を通す。
ジーッ・・・
何だか視線を感じた優は
その方向を見た。
(・・・・なんであの子はずっと
私を見てるんだろう。)
優を見ているのはさっきの若い店員。
美人の優が視線を向けられるのは
しょっちゅうだったが、
妙に気になった。
「私が茜で、この娘が優。」
マスターに自己紹介を始めた茜。
「茜ちゃんと優ちゃんね!
覚えた。俺記憶力はいいからね。」
注文したカクテルを
作りながらマスターが笑う。
「なんか、まだ呑んでもないのに
この店気に入っちゃいました♪」
茜は店よりマスターを
気に入った様だ。
「それは嬉しいな。
和樹、裏からウイスキー
持ってきといて。もうすぐ無くなる。」
茜と話ながらマスターは
さっきの若い店員に指示をした。