『主夫』だって『恋』してますけど何か?


<優Side>


『私、そんな和樹が
好きだったんだよね』

優の目の前で、
和樹に言った小夜子。



和樹は照れたのか、顔を紅くして
視線をカイトに向けた。



(・・・・・好きだった。か・・・)


過去形でも胸に刺さる、
自分が和樹にまだ言えてない言葉。




「・・・・私、そろそろ仕事に戻るわ。」

優は席を立つ。


「俺も戻るよ。」

一緒に藤堂も席を立った。


「あっ・・・俺も
マリンのお迎えあるから。」

和樹も立ち上がる。


「え〜残念!
また皆さんと食事したいです♪」

小夜子も笑顔で
言いながら席を立つ。



結局、皆の分の会計を藤堂が
済ませて全員で店を出た。



「「ごちそうさまです。」」

和樹と小夜子が藤堂にお礼を言う。


「どういたしまして。」

爽やかに笑って藤堂は
優と仕事に戻る。


和樹は帰ろうとしていたが
小夜子に何か話し掛けられていた。



「優・・・・いいのか?
2人きりにしちゃって。」

廊下の角を曲がる時に、和樹と小夜子を見た
藤堂が優に言った。


「・・・別に。
それよりさっきの料金払うわ。」

優は歩きながら、
財布を鞄から取り出す。



「いいよ。
ああいう時は男が払うもんだろ。」

藤堂は優の財布を見て笑う。


「・・・・一応、今はあんたより
収入あると思うんだけど。」

女扱いされるのが嫌いな
優は藤堂を睨む。


「でも、俺にとっては
優は変わらない存在だから。」

藤堂は優より先を歩きながら
手をヒラヒラさせて、
イベント会場に戻っていった。



(・・・・・・・ばか。)

優は財布を鞄に戻しながら
心の中で呟いた。



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