『主夫』だって『恋』してますけど何か?


(・・・・昔の彼女か。)

優は仕事に戻りながら
ぼんやりする。


(・・・・今の私に向ける和樹の
言葉や行動は昔、全部
彼女のものだったんだ。)


和樹の実家で小夜子の話しを
聞いていが、実際に本人を
目の前にして、胸が苦しくて
仕方なかった。



(小夜子、小夜子って・・・・)


和樹が小夜子と呼びすてに
する度にイライラした。


(大体あの子、和樹と私を
目の前にして、好きだったとか
何であんなに気軽に言える訳?)


歩きながら無償に腹が立ってきた優。



ダンッ!


「しゃっ社長!?」


鞄を机に思い切り置いた優に
先に仕事を始めていた部下が
ビックリして声を上げた。


「・・・・・ごめん。」

謝った優はパソコンに向かい
イライラを仕事にぶつけた。




「藤堂さん見かけなかった?」


しばらくして、イベントも
落ち着いてきたので、今日の
報告と、自分の会社に戻る事を
伝えようと藤堂を探す優。



イベントブースの隅で仕事を
こなす藤堂を見つけて向かう。


「藤堂さん。」


「はい。」


「これ、今日のデータと
改善提案です。
やっぱりこの時間帯になると
客足減りますね。」


「だね。
でも昼間は予想以上だったよ。」


「そうですね。
また次は3日後に覗きにきます。」


「解った。
これと同じ様にデータとっとく。」


「そうして頂けると助かります。」


藤堂との坦々とした
やり取りが終わる頃。


「藤堂さん、高松さん!」

笑顔で小夜子がやって来た。



(・・・・・せっかくイライラ
治まってたのに。)

優は小夜子から視線を反らした。



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