『主夫』だって『恋』してますけど何か?
『小夜子って娘、何を
考えてるか解らないから
関わらないで』
たった今、優さんが
俺に言った言葉。
今日偶然会っただけなのに・・・・
「どうしたんですか、急に。」
「・・・・色々あるのよ。
彼女は危ない気がするから。」
優さんはテレビ画面を
見つめたまま。
「・・・・何ですかそれ。
小夜子は危ない奴じゃありません!
そりゃ昔、俺は裏切られたけど
友達思いだし、人の悪口
言ったりしないし・・・・
優さんがどう思ったか
解らないですけど、深く
関わってない人間を、勝手に
推測だけでそんな風に
言うのは良くないですよ。」
なんの前フリもなく、小夜子を
危ないと言った優さんに怒る。
「・・・・そうね。
私は和樹みたいに彼女と
深く関わってなんかないわ。
でも・・・・
お願いだから関わらないで。」
優さんは眉をしかめた。
意味が解らない。何なんだよ。
「お願いする時はちゃんと
俺の目を見て言って下さい。」
テレビ画面を見たままの優さんに
ついイラっとして、きつめに言った。
「・・・・小夜子、
小夜子って呼ばないで!」
俺の目を見た優さんは、
さっきのお願いではない事を
イライラしながら言った。
「・・・・・は?何それ。
優さんだって、藤堂さんの事
肇って言ってるだろ。」
「・・・・・・・・・・・・・・・」
俺の言葉に黙る優さん。
「何でいつも黙るの?
ちゃんと言ってくれなきゃ
俺、解らないよ。
小夜子が何かしたわけ?
優さんは俺が藤堂さんと
関わるなって言ったら
関わらないでくれるの?
無理だよね?
だったら俺にもそんな事いわないでよ。」
優さんの考えてる事が
解らないからか、ついムキに
なって言ってしまった。
「・・・・・・・・・・・・・・」
黙られたら
夫婦喧嘩にもならない。
「パパ、ママどおしたの・・・?」
テレビの前でおえかきしていた
マリンが不安そうに聞いてきた。
「・・・・・何でもないよ。
マリン、もう寝なさい。」
優さんはソファーから立ち上がり
不安げなマリンに軽く笑いかけて
カイトと一緒にリビングを出ていった。