『主夫』だって『恋』してますけど何か?
「藤堂さん、これ
確認お願いします。」
受付の女の子と夜の約束を
してからオフィスに戻ると
優が客に提案する資料を持ってきた。
「あっ・・・・ああ。
解った。そこ置いといて。」
(何、動揺してんだよ俺。)
真っ直ぐに俺を見る優の姿に
先程女と約束した事を
なぜか後ろめたさを感じた。
(・・・・ただの後輩なのに。)
優はお願いしますと頭を下げて
自分のデスクに戻った。
季節は秋で、優は少し暑いのか
ジャケットを脱いでワイシャツ一枚だ。
「高松さん、細いのに胸デケぇよな〜」
隣の席の奴が俺に小さな声で言った。
「・・・・そういやお前の
お気に入りの受付の女の子に
さっき食事に誘われたけど。」
「まじ!?
あの子もお前に堕ちてたわけ??」
俺は隣の奴が優を見てるのに
ムカついてわざと話しを逸らした。
(・・・・美人で色気もあって
胸もでかいって何なんだよ。)
軽く舌打ちをする。
いつの間にか、営業先でも
職場でも、優に変な虫が
付かないようにするのも
俺の仕事になっていた。
「・・・やっ・・・藤堂さん!
激しい・・・・アッァンン・・・!」
ベットの上で乱れる昼間
約束した受付の女の子。
俺は別に何も言わず、ただ
彼女が感じる姿を見つめる。
(優は・・・・彼氏いるのか?
・・・あんだけいい女に
いないわけないか。
こんな風に誰かに抱かれてるのか?)
そんな事考えながら・・・・
彼女でもない優を思い、勝手に
嫉妬しながら、甘い声で鳴く
好きでもない女に優を重ねて
無理矢理何度も抱いた。
(・・・・・・初めてだな。
こんなに欲しいと思った女。)
ベットで疲れて眠る受付の
女の子など気にせず、ソファーで
タバコを吸いながら優の事を考える。
(でも、あいつ普通に
口説いて俺に堕ちるかな。)
溜息がてら吐き出した煙りが
天井に向かって上がるのを見つめる。
本気で人を好きになると
なぜか他の女に言うみたいに
軽く口説く事が出来ないみたいだ。