『主夫』だって『恋』してますけど何か?
(いつ言おうかな・・・・)
夜、優は一緒じゃない接待があり
それが終わって帰ろうとしたら
部長からの着信が
何度も携帯に残っていた。
かけ直すとかなりご立腹の部長。
優が上客を殴ったらしかった。
(・・・・殴る程酷い
セクハラされたのか?)
驚きや仕事の心配よりも
優になにかした客に腹が立つ。
「くそっ・・・電話でねぇ。」
優に電話しても直ぐに
留守電に切り替わる。
いるかどうかは解らなかったが
とりあえず、会社に戻った。
「あっ藤堂さん、お疲れ様でーす!」
「ああ、お疲れ。お前最後?」
会社の前で同じ部署の
後輩と出くわす。
「高松だけ残ってますよ。
今日やらかしたみたいですねぇ。
部長昼からいなかったんで
説教は明日でしょうけど。」
後輩は軽く説明して帰って行った。
会社に入ると警備員くらいしか
人影はない。
(月曜だしな・・・)
週の頭だからか遅くまで
残業する奴が少ないんだろう。
でかい会社だから、誰かしら
残ってはいるんだろうけど。
エレベーターに乗り、自分の
オフィスがある階に行く。
ほとんど明かりは
落とされていて、薄暗い。
(・・・・入れ違いになったかな。)
エレベーターは幾つかある。
オフィスのドアを開け優の
デスクを見ても誰もいなかった。
(・・・・・いた。)
諦めて帰ろうと思ったが
薄暗いオフィスの隅っこに
佇む人影を見つけた。
近付けば、近付く程に
愛おしい女の姿が
ハッキリ見えてくる。
外を眺めるその横顔は、
とても憂鬱そうで、けれど
節目がちに落とされた
瞳には妙な色気があった。