学校監禁ツアー
「鍵…鍵…」

俺たちは目を合わせ、ゆっくり、音を立てずに歩いた。ドアへと。

カタリ、と翠さんが音を立てた。

「そこかぁっっ!!!」
女が、とても素早い動きで近づいてくる。

「翠さっ…」

俺は幽霊の前に飛び出した。

すごい力でとばされて、ズボンのポケットの中でなにかがパリンと割れた音がした。

「?」

ポケットの中には、化学準備室で取ってきた食塩がある。

「う゛ぁっ……ぐ」
翠さんの声が聞こえる。翠さんは必死に首の周りをはらっていた。

「っの!」

俺は立っている幽霊に向かって塩をなげつけた。

「う゛う゛う゛う゛う゛ぅ…」

幽霊はうなり声をあげ、消えた。

「翠さん!?」

「…かはっ!わた、し…首を絞められ…」
「もう大丈夫です!はやく、でよう」

俺たちはすぐに職員室を出て、武藤たちのいる事務室前玄関まで、一言もしゃべらずに走った。




事務室前玄関にいたのは、倒れている几亥谷だけだった。




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