学校監禁ツアー
〈奈津紀と紫稀〉

翠と進藤が行ってしまった。


進藤が言っていた事を思い出す。



…眞埜硲が死んだ。


進藤は詳しくは教えてくれなかった。ただ、翠が異常なまでに震えだしたところをみると、酷く凄惨な光景だったのだろう。


…だいたい、城崎はどうしたのよっ! 凜と一緒だったんじゃないの!?

…もしかして、城崎も…

いや、そんなことはない!縁起の悪いこと考えないのよ!私!

「あのさぁ、奈津紀」

「ひぁあっ!」

急に紫稀が話しかけてきた。

「な、なに?」

「玄関の鍵、だけど…事務室にあるってことない、かなぁ?」

「それよ!」

私達だけじっとしてるなんて…
そのとき、タイミング良く音がした。

ガチャッ


鍵の、開く音…

私と紫稀は顔を見合わせた。

そして、同時に口を開く。

「「危ないから(あんた)おまえはここで待って(なさいよ)ろよ」」



「………」



「…まぁ、あれよ。三人よれば文殊の知恵よ」

「ふたりだが」

「三本の矢ね」

「だからふたりだが」

「てぃやっ!」

私は紫稀の横を走りすぎ、事務室の扉に手をかけた。

きぃーっと小気味の悪い音を立てて扉が開く。

「あっ、おい!」

すぐに紫稀が入ってくる。

「危ないから待っててよ」

「そんなこと言ったって、おまえ震えてんじゃん」

「な!?」

いきなり紫稀は何も言わず私を抱きしめる。


「…紫稀?」



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