君と杯を交わそう ~契約婚から築く愛~
真司のオススメのお店で食べたパスタはとても美味しかった。



「ご馳走さまです」
「じゃあ、行こうか?」
「はい」




車を走らせて、お祖母ちゃんがいる施設へと向かう。




40分くらいで、お祖母ちゃんがいる施設に着いた。



「こんにちは」
「いらっしゃい、杏莉ちゃん。もしかして、彼氏?」
「はい」
「初めまして、西森真司って言います」
「よろしくね。宮本さん、杏莉ちゃん来たよ」


介護士の伊藤さんがお祖母ちゃんを呼んでくれた。

伊藤さんに押されながら車椅子に乗ったお祖母ちゃんがやってきた。



「車椅子?」
「はい。お祖母ちゃんはあの日に下半身不自由になったので」
「そうなんだ。おいくつ?」
「65歳です。お祖母ちゃん」
「杏ちゃん」


嬉しそうな顔をした杏莉の祖母は真司の顔を見ると、頭を下げた。



「……杏ちゃん、そちらは?」
「えっと、今お付き合いしている」
「西森真司です。よろしくお願いします」
「そう、良かったわ。杏ちゃんの恋沙汰が一切聞かないから」
「あ、ははっ。そうだね……」



流石に出逢ったばっかりとは言えない。
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