シャクジの森で〜番外編〜
「アラン様、温めますと風味が落ちます。淹れなおしましょう」
ポットを受け取って中身を確認すると、かなりぬるくなっていた。
温めるよりも最善だと考えて、そう申し上げたんだが・・・。
どうしてかなぁ?心なしか不機嫌になられたような・・・。
今の今まで無表情なりに柔らかな雰囲気を纏っておられたのに、眉を寄せた厳しい表情に変わり、此方を見ている。
「いや、淹れなおしてはならぬ。風味など少しばかり落ちても構わぬゆえ、そのまま温めよ」
「でもアラン様、美味しい方がいいわ。淹れなおして貰いましょう。時間がかかるから、あとで持ってきて貰えばいいもの。ね?」
首を傾げて上目遣いにエミリー様が見上げている。
すると、アラン様の口元がふっと緩んだ。
――もしかして、これは、笑っておられるのか?
見ていると、華奢な身体がツツと動いてアラン様に引き寄せられていく。
エミリー様がフライパンを気にしていると、大きな手が頬に添えられくいっと動き、固定された。
ブルーの瞳がキラリと煌いているのが分かる。
「エミリー、ダメだ。私が“このコーヒーが良い”と申しておる。分かるな?」
そう仰いながら、アラン様の指がエミリー様の頬にかかっている髪を優しく耳に掛けている。
「・・・どうしてなの?」
不思議そうに問いかける声に、アラン様が耳元で何かを囁いた。
それを聞いて、ほんのり染まった頬でコクリと頷いている。
そのあと恥じらうように俯いてしまった。
――う~ん・・参ったなぁ・・・。
お二人とも、恐らく無意識の行為なんだろうけど、見ているこっちがドキドキしてしまうよ。
ヘタしたら、あの、焜炉の上のフライパンよりも熱いんじゃないだろうか――
間近で見ている料理長は、ポットを持つ手をもじもじと動かしながら、中身をどうしたらいいのか、結論をずっと待っていた。
そんな様子に気付いて振り向いたアランは、表情を訝しげなもの変え、すぅと眉を寄せた。
「・・・・料理長、何をしておる。それが良いと申したであろう。早く温めよ」
ポットを受け取って中身を確認すると、かなりぬるくなっていた。
温めるよりも最善だと考えて、そう申し上げたんだが・・・。
どうしてかなぁ?心なしか不機嫌になられたような・・・。
今の今まで無表情なりに柔らかな雰囲気を纏っておられたのに、眉を寄せた厳しい表情に変わり、此方を見ている。
「いや、淹れなおしてはならぬ。風味など少しばかり落ちても構わぬゆえ、そのまま温めよ」
「でもアラン様、美味しい方がいいわ。淹れなおして貰いましょう。時間がかかるから、あとで持ってきて貰えばいいもの。ね?」
首を傾げて上目遣いにエミリー様が見上げている。
すると、アラン様の口元がふっと緩んだ。
――もしかして、これは、笑っておられるのか?
見ていると、華奢な身体がツツと動いてアラン様に引き寄せられていく。
エミリー様がフライパンを気にしていると、大きな手が頬に添えられくいっと動き、固定された。
ブルーの瞳がキラリと煌いているのが分かる。
「エミリー、ダメだ。私が“このコーヒーが良い”と申しておる。分かるな?」
そう仰いながら、アラン様の指がエミリー様の頬にかかっている髪を優しく耳に掛けている。
「・・・どうしてなの?」
不思議そうに問いかける声に、アラン様が耳元で何かを囁いた。
それを聞いて、ほんのり染まった頬でコクリと頷いている。
そのあと恥じらうように俯いてしまった。
――う~ん・・参ったなぁ・・・。
お二人とも、恐らく無意識の行為なんだろうけど、見ているこっちがドキドキしてしまうよ。
ヘタしたら、あの、焜炉の上のフライパンよりも熱いんじゃないだろうか――
間近で見ている料理長は、ポットを持つ手をもじもじと動かしながら、中身をどうしたらいいのか、結論をずっと待っていた。
そんな様子に気付いて振り向いたアランは、表情を訝しげなもの変え、すぅと眉を寄せた。
「・・・・料理長、何をしておる。それが良いと申したであろう。早く温めよ」