シャクジの森で〜番外編〜
噴水広場から通りへと、ゆっくりと鋭い視線が這う。
もう一度噴水広場に戻し、噴水の脇にいる二人組の男の動向を探る。
―――通りで追い抜きざまに此方を見ていたのはあの男だ。
もう一人は知らぬが、二人で会話を交わす、こそりと漂うあの雰囲気。
・・・視線の先にはエミリーのいる屋台がある。
加えて、感じるこの視線だ・・・。
これは、気をつけねばなるまい―――
知らず知らずの内に、殺気がもれ、ぴりりとした気が体を覆いはじめた。
その気に当てられる一般の紳士たち。
特に隣で彼女を待つ紳士には、それが顕著のようで―――
―――ん、何だ?何故こんなに脚が震えるんだ?
突然震えだした脚に、ハテナマークが紳士の頭の中を飛び交う。
未だかつて、こんなことは経験したことがない。
とりあえず脚をバシバシ叩いて叱咤してみる。
――私だけか?
ワケの分からない現象に怯えつつ、隣に立っている青年は平気なのだろうかと、紳士はそっと覗き込んだ。
目にしたのは、刃のような鋭い光を発するブルーの瞳。
ざわりと鳥肌がたち、血の気がサーと引いていく。
これは・・・、見てはいけないものを見てしまった・・・。
青ざめ声も出せず、紳士は腰の曲がった老人よろしくよろよろと歩き、やっとの思いで辿り着いたベンチに座った。
膝に肘をつき、項垂れ大きなため息を吐く。
――まだ震えている。
よくベンチまで辿り着けたものだな――
そんな様子を隣の老夫婦が訝しげに見て、互いに顔を見合わせた後話しかけた。
紳士の肩に優しく手を置く老紳士。
「どうかしたのですか?大丈夫ですか」
「貴方様、どこか具合が悪いのですか?とても顔色が悪いですわ。これで汗をお拭きになって・・・」
そう言いながら紳士にハンカチを差し出す老夫人。
優しい老夫婦は、紳士の顔を覗き込み、心配げな声を出している。
それほどに紳士の様子はおかしくみえた。
差し出されたハンカチをやんわりと断り、紳士は引き攣った笑顔を浮かべた。
「いいえ、大丈夫です。お気遣いなく・・・別に何でもないですから」
もう一度噴水広場に戻し、噴水の脇にいる二人組の男の動向を探る。
―――通りで追い抜きざまに此方を見ていたのはあの男だ。
もう一人は知らぬが、二人で会話を交わす、こそりと漂うあの雰囲気。
・・・視線の先にはエミリーのいる屋台がある。
加えて、感じるこの視線だ・・・。
これは、気をつけねばなるまい―――
知らず知らずの内に、殺気がもれ、ぴりりとした気が体を覆いはじめた。
その気に当てられる一般の紳士たち。
特に隣で彼女を待つ紳士には、それが顕著のようで―――
―――ん、何だ?何故こんなに脚が震えるんだ?
突然震えだした脚に、ハテナマークが紳士の頭の中を飛び交う。
未だかつて、こんなことは経験したことがない。
とりあえず脚をバシバシ叩いて叱咤してみる。
――私だけか?
ワケの分からない現象に怯えつつ、隣に立っている青年は平気なのだろうかと、紳士はそっと覗き込んだ。
目にしたのは、刃のような鋭い光を発するブルーの瞳。
ざわりと鳥肌がたち、血の気がサーと引いていく。
これは・・・、見てはいけないものを見てしまった・・・。
青ざめ声も出せず、紳士は腰の曲がった老人よろしくよろよろと歩き、やっとの思いで辿り着いたベンチに座った。
膝に肘をつき、項垂れ大きなため息を吐く。
――まだ震えている。
よくベンチまで辿り着けたものだな――
そんな様子を隣の老夫婦が訝しげに見て、互いに顔を見合わせた後話しかけた。
紳士の肩に優しく手を置く老紳士。
「どうかしたのですか?大丈夫ですか」
「貴方様、どこか具合が悪いのですか?とても顔色が悪いですわ。これで汗をお拭きになって・・・」
そう言いながら紳士にハンカチを差し出す老夫人。
優しい老夫婦は、紳士の顔を覗き込み、心配げな声を出している。
それほどに紳士の様子はおかしくみえた。
差し出されたハンカチをやんわりと断り、紳士は引き攣った笑顔を浮かべた。
「いいえ、大丈夫です。お気遣いなく・・・別に何でもないですから」