キミとボクの部屋。


声のした方を見ると、

そこには

「お兄さん、あたし、忘れちゃった?」

そう笑うキミの姿があった。


「ほら、コウイチに水かけられてた子だよ!」

キミはまた笑って言った。


「あの日」とはだいぶイメージが違う。

よく笑う子だと思った。


「お兄さんにお礼したくてあたし、

毎日ここ来てたんだ」

キミは言った。

その言葉がうれしくて、

「俺も、またキミに会いたいと思ってた」

なんて、普段言わないセリフが口から出た。




< 8 / 34 >

この作品をシェア

pagetop