キミとボクの部屋。
声のした方を見ると、
そこには
「お兄さん、あたし、忘れちゃった?」
そう笑うキミの姿があった。
「ほら、コウイチに水かけられてた子だよ!」
キミはまた笑って言った。
「あの日」とはだいぶイメージが違う。
よく笑う子だと思った。
「お兄さんにお礼したくてあたし、
毎日ここ来てたんだ」
キミは言った。
その言葉がうれしくて、
「俺も、またキミに会いたいと思ってた」
なんて、普段言わないセリフが口から出た。