オトナの秘密基地
「家の中を案内するよ。さっきは和室しか使ってなかったから」
多分、真っ赤になっているはずの私の耳元で中田さんがそう言った。
玄関の横にトイレ、少し進んだところにリビングへ続くドアがあり、さらに奥にはさっき使わせてもらった二間続きの和室、といった間取り。
そのまま、リビングへ通される。
真っ暗なリビングに明かりを灯すと、中央に置いてある大きなテーブルが最初に目に入った。
木が本来持っている曲線をそのまま生かした美しい木目のテーブルで、それを見た時にふと、懐かしい感じがした。
近寄って、テーブルにそっと触れてみる。
手に馴染む、あたたかみのある木のぬくもりが伝わってくる。
やっぱり、懐かしい。
……これは気のせいじゃない。
「どうかした?」
テーブルをじっと見つめながら撫でていた私に、中田さんが声をかけてきた。
「……何となく、覚えてるんです、このテーブル。小さい頃、このテーブルでお菓子を頂いた気がします」
お母さんに連れられて、ここへ来たのかも知れない。
インテリアは当時とかなり変わっているのだと思うけれど、テーブルは昔見たままだった。
このテーブルはもしかして……。