オトナの秘密基地
「和実ちゃん、悪いけど俺、あんまり時間ないんだよね。

今、ランチとディナーの間な訳。

麗華ちゃんと他の店員には、5時までに戻るって言って出てきたから、できることを早めにやってしまおう」


「わかりました」


そう言われて了解したけれど、私は何が「できること」なのかも解らない。


「まず、和実ちゃんにはもう一度、和子さんになって、戦時中に戻ってもらう」

「……どうやって戻るんですか?」


「多分、念じればできる。

さっきなんて、何も念じなくても和子さんになれたんだろう?」


「多分って、そんなに簡単なものじゃないと思いますよ」


「いや、俺の見たところ、博矢のご先祖様はお家存続の危機が何度もあったはずなんだ。

だけどピンチの度に、助けてくれる守護霊もいるみたいだな。

今は和子さんが全力で守ろうとしてるけど、かつての自分だけはどうすることもできないそうだ。

それで、君の出番!」
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