漆黒のタクティック  【1巻】


「何だよ!結局俺たちは仲間はずれかよ……」
何だろう。ウリッド君が、そうつぶやいた時、僕はその事を気にしてしまった。
結局、校長先生は“希望”って言ってきたけれど、最終的には仲間はずれにされるんだって。
僕たち5人は教室に取り残され、後の皆は、実際の魔術教室へと移動していった。
僕は、逆になんではずされたのかなんて反抗しようとは思わなかった。
だって、僕は皆とは違う。基準以下の人間には変わりない訳だし。
「まあ、でもリュウやリズと一緒のクラスだったって事でも感謝だな」
そう、ジン君が言った。
「うん。そうだね。僕もジン君やウリッド君……」
「ストップ!俺たちはもう、友達なんだから呼び捨てで構わないぜ」
「え、友達……?」
「そうだろう?もう、顔見知りなんだからさ」
本当にそうなのだろうか?顔見知りだから友達とよべる中なのだろうか?
僕は、急に怖くなった。


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