漆黒のタクティック  【1巻】


「ホントに?……じゃあ、いつも通りにするね」
眼鏡をはずして、すごくうれしそうな笑顔で言うアヤメ。なんか最初に見た時とは違う。
本当に別人みたいに変わる。人って眼鏡をはずすだけで、こんなにも違うんだ。
「ところでさ、僕たち、これからどうしたらいいんだろう?」
と、僕は言った。
「そうだよね。私たち、このままって訳にもいかないだろうけど?」
「確かに、あたし達、まさか、授業受けられないってわけじゃないよね?」
リズと、アヤメが言った。すると、教室の扉は閉めてはいなかったので、先生が突然入ってきて、
「そんなわけないだろう?」
すごく怖い男の声で言う。
僕たちの制服は、紺色と黒色の2色で出来ているけれど、この先生は、本当に真っ黒。と言うか、黒い悪魔のように。



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